2022年9月14日水曜日

萩のまちと文学⑬ 児玉花外

                       
「一雨一度」といいますが 
一雨ごとに涼しくなり、
秋の訪れを感じさせます。
萩城の、お堀沿いを歩いていると、
さわやかな風に
萩の花が、
しなやかに揺れています。
        
萩城内へ入り、
志都岐山神社の鳥居をくぐり、
少し行くと、今回ご紹介する
児玉花外の詩碑が、
木々にかこまれ、
ひっそりと建っています。

詩碑横の案内版によると、
児玉花外は、熱血詩人と称され、
『社会主義詩集』
『ゆく雲』などの作品や
「明治大学校歌」の作詞者として
著名で大正13年に、
花外父の故郷(長門市)を訪ね、
湯本を基点に下関・山口・萩などの
維新の志士ゆかりの地を遊歴し
「防長新聞」「関門日日新聞」に
318の詩編を
発表したとあります。
 
三百年の萩の花 
                 一たび揺れて血の勝利

この詩は、東京遊学中の山口県出身学生の
親睦団体、防長学生連盟のために、

昭和2年 花外が作詞した団歌「防長学生連盟の歌」の冒頭です。
碑は、萩文芸協会が王政復古70周年の記念行事として
揮毫を花外に依頼し、昭和12年建立されました。
当時入院治療中の花外は大いに感激して早速揮毫しそうです。
その様子が花外の親戚である白藤薫宛の手紙にも記されてるので一部抜粋します。

「~僕の詩碑建設されれば。
 亡父上に対して大きに申訳が立つと謂ふもの・・・・
 嗚呼何分共に地上を抜く程の力を入れてください。~」

  出典:『生誕140年記念 長門ゆかりの詩人 児玉花外』

花外は、その6年後の昭和18年9月20日、70年の生涯を終えました。
そして、花外が逝った6年後、
太平洋戦争中の当時の政府により発売禁止になった
『社会主義詩集』が岡野他家夫によって出版されます。
その復刻版を読みながら、弱い小さな人たちに向けた優しい花外の
心・正義感が、熱い詩となって、この本にやどっているのを感じました。

✾ ✾ ✾ ✾ ✾ ✾ 参 考 図 書 ✾ ✾ ✾ ✾ ✾ ✾ ✾ ✾

『社会主義詩集』児玉花外:著 岡野他家夫:編 
『児玉花外 その詩と人生』谷林博:著
『児玉花外郷土詩集」長門市郷土文化研究会:編 
『誕生140年記念 長門ゆかりの詩人 児玉花外』長門郷土文化研究会:編
  ※当館所蔵あり

『作家たちの文章で綴る 萩のまち文学散歩』萩図書館「文学散歩」制作委員会
  ※当館所蔵あり カウンターにて販売中(300円)