9月14日(土)に「萩藩の日記に記録された天変」の講演が行われました。
講師に島根県立大学人間文化学部の杉准教授をお招きして、『密局日乗』に書かれている日食と彗星の記録を中心にお話していただきました。
『密局日乗』は萩藩の密用方(重要な儀式や先例を記録する部署)によって記録された藩の公的な日記です。
その『密局日乗』に日食と彗星の記述があります。講演の中では日食によって御目見えの時刻が変更されたり、儀式が通常と少し異なったりしたという話がありました。
驚くことに、日本でも江戸時代の中期には日食のメカニズムが解明され、当時の暦には日食の予報がされていました。
つまり、日食はまったく未知のものではなく日常に存在したものなのです。にもかかわらず、日食の際に時刻や儀式を変更したのは不思議ですね!
講演の最後に話された「昔の文化を劣っているものとしてではなく、現代文化とはちがう異文化として捉えることで今の自分を相対化して見ることができるのではないでしょうか」という言葉にハッとさせられました。
新たな視点から、歴史・文化史を知ることができる講演でした。